マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

朝一番の静けさというものは

 朝一番の静けさというものは――
 何とも不思議な感じがします。

 ラッシュ時の2時間くらい前――
 今の季節だと、もう外は十分に明るい――

 それなのに――
 通りには人影がなく、列車もバスもガラガラ――

(この静けさは何なんだ)
 と思います。

 いってみれば、嵐の前の静けさなわけですよ。
 2時間後には、通りは人込みで溢れ、列車やバスはスシ詰め満員なのですから――

 僕が不可思議に感じているのは、おそらく同期性であろうと思います。
 人の営みの同期性――

 大半の人々が、なぜか一斉に行動を起こすことの不思議――

 各々に違った時期に行動を起こしても良さそうなものです。
 ある人は朝5時に出勤をし、ある人は朝8時に出勤をする――
 別の人は夕方5時に出勤をし、さらに別の人は夜8時に出勤をする――

 そのほうが、はるかにムリのないことなのです。
 人を、一つの生物種としてのヒトとみれば、人は自然物ですから、人の営みは自然現象に含まれる――
 自然現象なら、行動を起こす時期はランダムに決まっているほうがムリはありません。

 にもかかわらず――
 人々は一斉に行動を起こし、「ラッシュ時」なる現象を作りだしている――

 その同期性こそが、

 ――社会

 を裏打ちしているといってもよいでしょう。