人は、誰かが延々と話していることは、容易には信じないけれど――
自分の質問に答えて話されたことは、わりと容易に信じてしまう傾向にある――
そういう説を耳にしました。
(たしかに、そうだろうな~)
と思いました。
誰かが延々と話しているときに――
その誰かが作り話をしている可能性なら、人は、そう簡単には忘れないのでしょう。
が――
誰かが自分の質問に答えて話しているときに――
その誰かが、自分の質問に合わせ、とっさに作り話をしている可能性までは、考えが及ばないのでしょう。
たしかに――
とっさに辻褄の合った嘘を考え付くのは、かなり難しいのですよね。
少なくとも――
あらかじめ辻褄の合ったを嘘を用意しておくのよりは、はるかに難しい――
つまり、嘘というものは――
独演の中には潜みやすいのですが――
対話の中には潜みにくいのでしょうね。