当事者である難しさというのがあります。
事件や現象の渦中にいるがゆえに――
いま何が起こっているのか、どのように対処すべきなのかが、よくわからない――
そういうことがあります。
当事者でなければ――
案外、簡単にわかることであったりするのですね。
人間社会で起こる事件や現象というものは――
いったん現場の喧騒から離れ、そこでの事態を冷静に観察し、冷徹に分析すれば――
事態の本質が、わりと容易にみえてくるものです。
が――
当事者だと、そうはいかない――
本質がみえづらい――
ですから、有効な対処法をとっさには思いつけないのです。
当事者である難しさというものは――
実際に当事者になってみなければ、わかりづらいことです。
当事者であることをいつも回避しているような人は――
現場で実際に当事者になって戸惑っている人をみかけると、
――あいつ、バカじゃないのか。
と、蔑んでしまいがちです。
当事者であることを回避してはいけませんね。
人は、どんなに歳をとっても、どんなに偉くなっても――
当事者であることを継続的に体験しつづけることが大切です。