人は、同じことを繰り返すのですね。
何度も何度も繰り返す――
――もう2度と繰り返すまい。
と誓っても繰り返す――
あるいは、「2度と繰り返すまい」と誓うことすら、できない――
――そういう存在だからこそ、人は、人を愛おしく思うのだ。
と――
考える向きもあろうかとは思いますが――
そんなことはないと思うのです。
それは、単に不健全に傷を舐めあっているだけではないか、と――
人は、自分の仲間が同じことを繰り返しているからこそ、おそらくは、容易には進化・成長できないのです。
――あの人も、この人も、同じことを繰り返しているから、私もいいや、同じことを繰り返していても……。
と――
個の限界が種の限界をもたらしている――
ヒトという生物種について、かなり自虐的な見方をすれば――
たぶん、そういうことだと思うのです。