10代や20代の頃は――
まだ世の中のことが、よくわからなくて――
それゆえに、別の世の中のことを夢想してファンタシーの物語に親しんだりするのですが――
50代や60代になる頃には――
この世の中のことが、よくわかってきて――
逆に、この世の中のことが愛しく思えるようになってきて――
ファンタシーの物語に関心がもてなくなるような気がします。
僕は、今年で40歳で――
ちょうど、その中間にいる感じです。
今なら、どちらもわかる気がしますよ。
ファンタシーの物語に親しもうとする10代・20代の欲求と――
ファンタシーの物語に関心がもてなくなる50代・60代の諦観と――
とくに、自分が10代・20代だった頃のファンタシーへの夢想や憧憬を――
今も活き活きと思い返せるものですから――
が――
そんな僕の心の中でも、やがて諦観が欲求を制するようになるのでしょうか。
そう考えると――
ひどく残念で、むなしく感じられてしまいますが――
でも――
仕方がないのかな。
それが人の心の自然な変化なら――