人の話を聴くときは、
聴く
受けとめる
働きかける
の3つの過程を意識することが大切なのは――
きのうの『道草日記』で述べた通りです。
これら3つの過程のうち――
多くの人たちから苦手とされているのが、
働きかける
です。
――人の話は、ちゃんと聴けるんだけど、その後で何かアドバイスをしようと思ったら、とたんダメなんだよな~。
と嘆く人は、けっこう多いのですね。
一定の人生経験を積んだ人なら、皆さん、似たような感慨をお持ちかと思います。
では――
この“働きかける”が最も難しい過程なのかというと――
そうではなくて――
実は、“受けとめる”こそが最も難しい過程である――
と、僕は考えています。
この“受けとめる”は――
これを苦手としていること自体にすら、なかなか気づけない――
ということが、少なからずあって――
なかなかに厄介です。
人の話をよく聴ける人から、せっかく、
――“受けとめる”が大事なんだよ。
という的を射た助言があっても、
――キョトン
としている人は、ぜんぜん珍しくありません。
つまり――
この“受けとめる”は、それくらい根深く、人々から苦手とされている――
ということなのですね。
実は――
この“受けとめる”が巧くいけば、その次の過程である“働きかける”も巧くいく――
ということがいえるのです。
人は、
――自分の話をきちんと受けとめてもらえた。
と感じたときにこそ――
いかなる助言にも耳を傾けようとするものなのです。