マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“レオタードの背徳”に関する誤解

 ――レオタードが背徳的なのは、その背景に“人体の人形化”が潜んでいるからだ。

 ということを――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 つまり、

 ――“レオタードの背徳”の起源

 を指摘したのですね。

 ……

 ……

 これに関し――
 よくある誤解の1つに、次のようなものがあります。

 ――レオタードが背徳的なのは、裸体を薄い生地1枚で隠して、みる者をじらすからだ。

 ……

 ……

 これは「誤解」であると――
 いま述べたばかりですが――

 実は――
 そうとも、いいきれません。

 それは、おそらく――
 あまり裸体をみたことがない幼年期・少年期・青年期の人にとっては――
 ある程度の真実なのです。

 ――う~む、ひどいな、みせるんなら、早くみせてくれよ!

 とか、

 ――レオタード姿をさらして、もったいぶるなんて許せん!

 とか――

 ……

 ……

 一方――
 それなりに裸体をみてきた中年期・壮年期・老年期の人にとっては――
 真実ではありません。

 ――レオタード姿だから背徳的なのであって、脱いでしまえば健康美そのもの――

 とか、

 ――薄い生地を変に身につけているから、かえって、おかしな印象を与えるのだ。

 とか――

 ……

 ……

 つまりは――
 “人体の人形化”がもたらす背徳感を十分に察知するには――
 素の人体を十分に知っていることが必要だ――
 ということです。

 ちなみに――

 ……

 ……

 冒頭で触れた“レオタードの背徳”に関する誤解――
 つまり、

 ――レオタードが背徳的なのは、裸体を薄い生地1枚で隠して、みる者をじらすからだ。

 という命題は――
 30年ほど前に書かれた現代伝奇小説にみられます。

 10代後半から20代くらいの男性読者を想定としているとみられる作品でした。

 作者は――
 “レオタードの背徳”のことを――

(実は、よくわかっていた)
 と思います。