――鬼
や、
――人
は、
――我(今の我)
や、
――身(我が身)
や、
――心(我が心)
とは、まったく異なる概念である、ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
つまり、
――鬼
も、
――人
も、“我”や“我”に深く関わる概念とは異質ないし異次元の概念である――
ということです。
ここでいう「鬼」は――
3日前の『道草日記』で述べた通り――
「神」や「死人の魂」といった“人ならざる者”を広く指し示す言葉です。
――鬼神
や、
――鬼籍
の「鬼」です。
あるいは、
――人知を超えた知
といってもよいかもしれません。
しばしば、
――仏
に対して、
――鬼
といわれます。
この場合の「鬼」は、たんに「厳しい」とか「恐ろしい」とかいう意味です。
一方、
――人
に対して、
――鬼
といわれる場合は、少し違います。
――従来の常識にとらわれず、革新的な発想に基づき、まったく新しい発言や行動の様式をみせる者
という意味になることがあります。
もちろん、その者は、見かけ上は人に違いないのですが、“革新的な発想”に基づき、“まったく新しい発言や行動の様式”をみせているがゆえに――つまり、“人知を超えた知”を示しているがゆえに――
――人の皮をかぶった鬼
などとみられるのです。
つまり、
――鬼
とは、
――人ならざる者
ないしは、
――人知を超えた知
です。