マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「よくできない」と「よくできる」との見極めは誰でもできる

 ――「よくわからない」と「よくわかる」との見極めは誰でもできるわけではない。

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 きのうの文脈は、

 ――薬や体のこと

 でしたが――

 その見極めが難しいのは、薬や体に限ったことではありません。

 

 例えば、

 ――会社の収益のこと

 や、

 ――社会の利害のこと

 などは――

 いずれも、「よくわからない」と「よくわかる」との見極めが困難です。

 

 よって――

 ――医者なんて誰でもできる。

 と同じような意味で――

 それぞれ、

 ――経営者なんて誰でもできる。

 とか、

 ――政治家なんて誰でもできる。

 とかいった笑い話は成り立ちえますが――

 

 決して成り立ちえない領域というのも、あります。

 

 それは、

 ――技術

 が、ものをいう領域です。

 例えば、

 ――芸術家

 とか、

 ――スポーツ選手

 とか――

 

 これらの領域で求められるのは、

 ――「よくわからない」と「よくわかる」との見極め

 ではなくて、

 ――「よくできない」と「よくできる」との見極め

 です。

 

 “「よくできない」と「よくできる」との見極め”は、そんなに難しくはありません。

 むしろ、

 ――ほとんど誰にでも見極められる。

 といってよいでしょう。

 

 それゆえに、

 ――よくできない芸術家

 や、

 ――よくできないスポーツ選手

 が存在を許される余地は残されていません。

 

 それらは――

 それぞれ、

 ――芸術愛好家

 や、

 ――スポーツ愛好家

 と呼ばれ、

 ――芸術家

 や、

 ――スポーツ選手

 とは明確に区別をされます。

 

 ちなみに――

 

 ……

 

 ……

 

 おとといから、

 ――医者なんて誰でもできる。

 という笑い話に、たびたび触れていますが――

 

 この笑い話が成り立つのは――

 あくまで薬を専門に扱う医者に限ります。

 

 手術を専門に行う医者については――

 この笑い話は成り立ちえません。

 

 ――外科医なんて誰でもできる。

 とは決していえない――笑い話になりようがない――

 

 外科は技術がものをいう領域だからです。