――感情の分布図
を示すためには、
――“怯(きょう)・勇”軸
の他に――
この軸と互いに独立な軸をあと2本くらい定めればよい――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
――“怯・勇”軸
というのは――
先日来この『道草日記』で触れている、
――怯(ひる)み・勇(いさ)み
の軸――
あるいは、
――怯み・奮(ふる)い
の軸のことで――
具体的には、
←錯乱―臆病―心配―平静―自信―過信―傲慢→
←恐慌―不安―安穏―安穏―安穏―不穏―興奮→
のことです。
このような軸と互いに独立の軸として――
どのような候補が挙げられるでしょうか。
……
……
さしあたり――
すぐに思いつくのは、
――憂(うれ)い・喜び
の軸です。
具体的には、
←絶望―自棄―悲哀―平静―愉快―高揚―恍惚→
←大鬱―抑鬱―平気―平気―平気―軽躁―狂躁→
です。
――怯み・勇み
の軸――
あるいは、
――怯み・奮い
の軸を、
――“怯・勇”軸
と呼ぶことにならって――
以下、
――憂い・喜び
の軸を、
――“憂・喜”軸
と呼ぶことにしましょう。
ご覧の通り――
――“怯・勇”軸
の、
←錯乱―臆病―心配―平静―自信―過信―傲慢→
←恐慌―不安―安穏―安穏―安穏―不穏―興奮→
も――
――“憂・喜”軸
の、
←絶望―自棄―悲哀―平静―愉快―高揚―恍惚→
←大鬱―抑鬱―平気―平気―平気―軽躁―狂躁→
も、どちらも“谷底”モデル――感情の強度が原点の近くで低いモデル――です。
もちろん、“山頂”モデルを用いても考察は進められますが――
ここでは、“谷底”モデルを用います。
ところで――
“怯・勇”軸の上段と“憂・喜”軸の上段とで――
原点の近くに、どちらも、
――平静
の語句をあてています。
これでも、とくに不都合はないのですが――
“怯・勇”軸の上段の「平静」を「安心」に書き換えます。
つまり、
←錯乱―臆病―心配―安心―自信―過信―傲慢→
←恐慌―不安―安穏―安穏―安穏―不穏―興奮→
です。
理由は、“怯・勇”軸に「平静」は不似合いと感じられるからです。
“怯・勇”軸について――
感情の強度が低いことを一字で表すとしたら、
――平
ではなく、
――安
でしょう。
よって、“怯・勇”軸の「平静」は、「安心」のほうが適切である――
逆に――
“憂・喜”軸については――
感情の強度が低いことを一字で表すとしたら、
――安
ではなく、
――平
であろうと思います。
よって、こちらの「平静」は、「平静」のままで、十分に適切です。