マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「喜怒哀楽」は感情の整理・分類には向かない

 ――感情の整理・分類

 は不可能であり――

 せいぜい、

 ――“感情の分布図”の提示

 くらいのことしかできない――

 ということを――

 9月7日の『道草日記』で述べました。

 

 ……

 

 ……

 

 ――感情の整理・分類

 と、きけば――

 多くの方々が、

 ――喜怒哀楽

 の四字熟語を思い浮かべるでしょう。

 

 が――

 僕は、

 ――喜怒哀楽

 には触れず――

 9月7日以降の『道草日記』で、

 ――“感情の分布図”の提示

 ということの試みとして、

 ――“怯(きょう)・勇”軸

 という情動軸と、

 ――“憂・喜”軸

 という気分軸とを設けてきました。

 

 いわゆる、

 ――喜怒哀楽

 と、

 ――“怯・勇”軸

 や、

 ――“憂・喜”軸

 との関係は、どうなっているのでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 まず、

 ――喜怒哀楽

 の「喜」と、

 ――“憂・喜”軸

 の「喜」とは――

 同一とみて、かまいません。

 

 また、

 ――喜怒哀楽

 の「哀」と、

 ――“憂・喜”軸

 の「憂」とも――

 同一とみて、かまいません。

 

 一筋縄でいかないのは、

 ――喜怒哀楽

 の「怒」や「楽」と、

 ――“怯・勇”軸

 の「怯」や「憂」――

 あるいは、

 ――“憂・喜”軸

 の「憂」や「喜」との関係です。

 

 ここで手掛かりとなるのは――

 きのうの『道草日記』で記した、

  歓喜 = 勇穏 + 喜気

  憤怒 = 勇穏 + 憂気

 の図式を導いた考え方です。

 

 実は、

 ――喜怒哀楽

 の「怒」は、

 ――“怯・勇”軸

 の「勇」と、

 ――“憂・喜”軸

 の「憂」との足し合わせであり――

 

 ――喜怒哀楽

 の「楽」は、

 ――“怯・勇”軸

 の「勇」と、

 ――“憂・喜”軸

 の「喜」との足し合わせである、と――

 

 僕は考えています。

 

 つまり、

 

  怒 = 勇 + 憂

  楽 = 勇 + 喜

 

 です。

 

 これらの図式が示していることは、わりと重大です。

 

 というのは――

 それは、

 ――「喜怒哀楽」は感情の分類・整理には向かない。

 ということだからです。

 

 あるいは、

 ――「喜怒哀楽」に基づいて、例えば、“哀・喜”軸や“怒・楽”軸のようなものを設けても、まったく効果的ではない。

 ということもできます。

 

 もちろん――

 ごく形式的に、“哀・喜”軸や“怒・楽”軸のようなものを設けることは可能です。

 

 が――

 それら2つの軸は、決して、

 ――互いに独立

 ではありません。

 

 むしろ、

 ――互いに従属――

 でしょう。

 

 “哀・喜”軸と“怒・楽”軸とを図に示したら、

 ――互いに直交――

 どころか、

 ――互いに平行――

 ではないでしょうか。

 

 よって、

 ――「喜怒哀楽」で感情の整理・分類を図るのは、もちろんのこと、“感情の分布図”の提示にも、無理がある。

 といえます。