マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

医療の世界の“摩天楼”は誰のために?

 ――医療の世界の“摩天楼”

 というようなことを述べると――

 

 ――その“摩天楼”は象牙の塔か。

 との疑問がわいてきます。

 

 結論からいえば、

 ――理想としては、象牙の塔であってはならないが、現実としては、象牙の塔になってしまっている。

 となります。

 

 ちなみに――

 一口に、

 ――象牙の塔

 といっても――

 実は、様々な意味があります。

 

 本来は、

 ――女性のうなじの美しさ

 あるいは、

 ――女体の美しさ

 を表す言葉であったようです。

 

 キリスト教文化圏においては、

 ――聖母マリアの異称

 でもあったといいます。

 

 19世紀に入り――

 フランスで、

 ――芸術至上主義者が閉じこもっている生活環境や活動環境

 を指す言葉となり――

 

 現代に入り――

 あらゆる言語圏で、

 ――学術研究者らが閉じこもっている職場環境

 を指す言葉となりました。

 

 ……

 

 ……

 

 ――医療の世界の“摩天楼”

 は――

 21世紀の現在においても――

 主に医学者らよって建てられています。

 

 よって――

 この“摩天楼”は、どうしても、

 ――象牙の塔

 の印象が拭えません。

 

 が、

 ――医療の世界の“摩天楼”

 は、本来、医学者のためだけに建てられているのではありません。

 

 医者を始めとする医療従事者のためだけに建てられているのでもありません。

 

 では――

 誰のために建てられているのか――

 

 ……

 

 ……

 

 もちろん――

 患者のためにです――あるいは、患者の家族のためにです。

 

 ――医療の世界の“摩天楼”

 は、医学者や医療従事者にのみ開かれているのではありません。

 

 患者や患者の家族、あるいは、これから患者になるかもしれない全ての人たちのために建てられています。

 

 つまり――

 世の中の全ての人たちのために、

 ――医療の世界の“摩天楼”

 は建てられています。