――生命を司る原理は、例えば、燃焼を司る原理が、この宇宙において、唯(ただ)一つしか存在をしていないと考えられるように、この宇宙において、唯一つしか存在をしていないはずである。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
もちろん――
生命を司る原理は、燃焼を司る原理よりも遥かに複雑であるようにみえますが――
これら2つの現象は――
ある種の元素が主要な役割を担っているという意味では――
わりと似ているように思えます。
――燃焼
という現象で主要な役割を担っているとみなせるのは、
――酸素
です。
では、
――生命
という現象では、どうでしょうか。
……
……
その有力な候補が、
――炭素
であろう、と――
僕は思っています。
つまり、
――この宇宙において、酸素が関与をしない燃焼が起こりえないように、炭素が関与をしない生命は起こりえないのではないか。
ということです。
このように考えてみると――
おとといの『道草日記』で述べた、
――「偽性単一系統」説
つまり、
――生命は地球上に何回も誕生をしているのだが、どれも互いに精緻に似ていて、現在の僕らの科学技術では互いに区別ができないために、生命は見かけ上1回しか誕生をしていないようにみえている。
との考えは、むしろ自然に思えてきます。
――燃焼
について――
ある反応の系統と別の反応の系統とが根源的に区別を付け難いように、
――生命
についても――
ある発生の系統と別の発生の系統とが根源的に区別を付け難かったとしても――
何ら不思議はないように思えます。
さらにいえば――
このように考えていくと、
――「単一系統」説
や、
――「他系統絶滅」説
の異様さが、かなり目立つことに気づきます。
――燃焼の反応は1回しか起こっていない。
とか、
――燃焼の反応には様々な系統があったのだが、現在は1つの系統の反応しか起こらない。
とかいう主張は、かなり異様であろうと思います。