――この宇宙には、“炭素系の生命”だけでなく、“ケイ素系の生命”も存在をしている。
との考えは、
――机上の空論
ではなかろうか――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
背景には、
――地球上における生命の誕生は本当に1回だけであったのか。
との疑問があります。
一般に――
いま地球上に生息をしている全ての生命体が、それぞれに、
――世代間の遺伝
――身体の合成
――エネルギーの代謝
の仕組みをもっていて――
かつ、それら仕組みが互いに精緻に似ていることから、
――生命は地球上に1回だけ誕生をし、いま生息をしている地球上の生命体の全てが最初に誕生をした生命の系統に含まれる。
との考えが採られています。
が――
当然ながら、そうではない考えも成り立ちえます。
例えば、
――生命は地球上に何回も誕生をしているのだが、いま生息をしている地球上の生命体が含まれる系統とは異なる系統は、全て絶滅をしている。
と考えることもできます。
あるいは、
――生命は地球上に何回も誕生をしているのだが、どれも互いに精緻に似ていて、現在の僕らの科学技術では互いに区別ができないために、生命は見かけ上1回しか誕生をしていないようにみえている。
と考えることもできます。
1つめの考えを、
――「単一系統」説
と呼び――
2つめの考えを、
――「他系統絶滅」説
と呼び――
3つめの考えを、
――「偽性単一系統」説
と呼ぶことにします。
――「単一系統」説
では、
――なぜ生命は1回しか誕生をしなかったのか。
との疑問が残ります。
また、
――「他系統絶滅」説
では、
――なぜ他系統の生命体は絶滅をしてしまったのか。
との疑問が残ります。
これら2つの疑問に答えるのは――
それほど容易ではありません。
一方、
――「偽性単一系統」説
では、
――なぜ生命は同じように繰り返し誕生をするのか。
との疑問が残ります。
が――
この疑問に答えるのは、そんなに困難ではありません。
――この宇宙には、生命を司る原理は唯(ただ)一つしか存在をしていないから――
と答えればよいからです。