――この宇宙で、生命は、たった1回しか誕生をしていない。
とする仮定Aよりも、
――少なくとも地球上では、生命は、たった1回しか誕生をしていない。
とする仮定Bや、
――この宇宙で、生命が誕生をしえたのは、今から 42 億~ 35 億年前くらい前にあった僅かな期間だけである。
とする仮定Cの方が受け入れやすい――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
仮定Cは、仮定Bを、
――宇宙は、十分に大きな規模で観測をすれば、均一的かつ等方的である。
との宇宙原理に基づき、一般的に述べ直したものである――
ということも、きのうの『道草日記』で述べました。
では――
なぜ、
――この宇宙で、生命が誕生をしえたのは、今から 42 億~ 35 億年前くらい前にあった僅かな期間だけである。
といえるのか――
……
……
もちろん、
――そんなことは全然いえない!
との反駁は大いにありうるかと思いますが――
ひとまず、できるだけ単純に考えるとすれば――
次のような説明になります。
――この宇宙に生命が誕生をするには、空間におけるエネルギーの散逸の勢いが弱すぎず、かつ空間に存在をしている物質の密度が低すぎないことが必要であると考えられる。その際に、空間におけるエネルギーの散逸の勢いは、宇宙の大きさに対して正の相関を示し、空間に存在をしている物質の密度は、宇宙の大きさに対して負の相関を示していると考えられることから、この宇宙では、生命が誕生をしうる期間は1回だけであると考えられる。
少し数学っぽい表現を採るならば――
後半部分の説明は、次のようになります。
――空間におけるエネルギーの散逸の勢いは、時間についての単調増加関数であり、空間に存在をしている物質の密度は、時間についての単調減少関数であるために、これら2つの関数をあえて同一のグラフに描けば、交点は1つのみであることから、この宇宙では、生命が誕生をしうる期間は1回だけであると考えられる。
大筋では、9月11日の『道草日記』と、ほぼ同一の説明です。
違いは、
――話を地球上の環境に限っていない。
という点です。