――“病的な体験”は“神経単位（neuron）”の異常な“配線”で起こる正常な“演算”ではないか。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
ここでいう、
――神経単位
は、12月16日の『道草日記』で述べた通り、
――神経細胞（nerve cell）
のことではなく、
――その神経系の持ち主によって「１つ」と主観的に認識をされうる体験の発生に関わる全ての神経細胞の集合
のことです。
……
……
要点は、
――“配線”に異常はあっても、“演算”としては正常なのではないか。
ということです。
――“演算”としては正常――
が、いいすぎなら、
――“演算”にも異常はきたしているが、それは“配線”の異常に伴う代償性の異常ではないか。
としましょう。
つまり――
聴こえるはずのない声や音を聴いたり、事実や論理に明らかに反する確信を抱いたりすることは――
その“神経単位”の“配線”に生じた異常を、“演算”によって、どうにかして直そうとする結果、発生をする体験ではないか――
ということです。
もし、こうした観方が正しいとすると、“病的な体験”は必ずしも治療の標的とはみなせなくなります。
治療の目標は、“病的な体験”を無くすことではなく、“神経単位”の“配線”に生じた異常を取り除くことになるのです。
が――
現代の実験・観察の技術では、僕のいう“神経単位”を見出すことは、
――夢のまた夢
です。
よって――
現代の医療技術では、“神経単位”の“配線”に生じた異常を取り除くことは、どうしても諦める必要があります。
では、どうするか――
……
……
――自然治癒に頼る。
というのが――
現時点では、最も現実的な方策です。
この続きは、あす――
