入学試験の出題者は、志願者の得点分布を巧みに散りばめることで、合否判定を円滑に行えるようにしておく必要があるために、
――多くの志願者の得点を手っ取り早く低めることができる。
という、志願者にとっては、たんなる嫌がらせにしか感じられないような発想に、つい立ってしまいがちである――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
こうした傾向は、
――出題者の怠慢
といってよい――
とも――
……
……
ここで――
あえて出題者の擁護に回りましょう。
入学試験の出題者が、つい、
――怠慢
に流れてしまう理由は――
僕にも何となくわかります。
最大の理由は、
――出題者の殆どは匿名で出題をしているから――
でしょう。
匿名なので――
どんなに良質の問題を作っても、個人の利益にはなりませんし――
どんなに悪質な問題を作っても、個人の損害にはならないのです。
出題者として、誠実に振舞っても評価の対象にならず、不誠実に振舞っても非難の対象にならないのであれば、
――怠慢
に流れてしまうのは無理のないことです。
よって、
(出題者は匿名をやめたらいいんじゃないか)
と、僕は思います。
あらゆる入学試験で、出題者は必ず名乗りでる――
そんな慣例が行き渡れば、
――入学試験の悪質度
は、すぐにでも低下をするのではないか、と――
僕は思っています。
もちろん――
入学試験の問題は1人では作れません――問題として不備がないかどうか、確認をする人が、どうしても必要です。
よって、
――出題者
と、
――確認者
とに分けて名前を公(おおやけ)にしたら、よいのではないでしょうか。
原則として、出題者は1人、確認者は3人くらいになると思います。