――入学試験の悪質度
を、
――試験時間を延ばした場合の単位時間あたりの平均点の上昇
で測ってはどうか――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
例えば――
試験時間が1時間の入学試験について――
試験時間を1時間だけ延ばして2時間にして、平均点が満点の 10 %上昇をしたら、
悪質度:10 %
とみなす――
試験時間を2時間だけ延ばして3時間にして、平均点が満点の 30 %上昇をしたら、
悪質度:15 %
とみなす――
ということです。
もちろん――
同一の志願者の集団で試験時間を変えて2回の試験を行っても意味はありません――例えば、1回目の試験を1時間で行い、その後、2回目の試験を2時間とか3時間とかで行えば、2回目で平均点が上昇をするのは当たり前です。
よって――
相異なる志願者の集団2つをもうけ、集団ごとに試験時間を変えます。
例えば、集団Aは1時間で試験を行い、集団Bは2時間とか3時間とかで試験を行い、その上で集団Aと集団Bとの平均点を比べる――
ただし、集団Aの志願者たちと集団Bの志願者たちとで、それぞれの集団の平均的な学力は同じとみなせる、というような条件は必要です。
このように手の込んだことをしてようやく、
――入学試験の悪質度
を見積もることができるので――
この尺度は、実は全く実用的ではありません。
もう少し実用的にするには――
同一の志願者の集団で、答案の提出を2回にわたって行わせるのも、ありかもしれません。
例えば、試験開始後1時間で1回目の答案の提出を行わせ、2時間とか3時間で2回目の答案の提出を行わせ、その上で1回目の答案と2回目の答案との平均点を比べる――
2回目の答案の平均点が1回目の答案の平均的よりも上昇をすればするほどに、
――入学試験の悪質度
が高いとみなす――
ということです。
いずれにしても――
実際の志願者の集団から得られるデータをもとに、
――入学試験の悪質度
を見積もるわけではなくて――
その見積もりのためだけに偽物の志願者の集団をもうけなければならないという意味では――
どちらも全く実用的ではありません。
が――
その気になれば――
このような手法によって、
――入学試験の悪質度
を見積もることができるということを出題者が十分に弁えていたら――
悪質な入学試験は確実に減るでしょう。