入学試験や資格試験では、
――多肢選択式
は、もちろん、
――空欄補充式
や、
――文章論述式
でもない問題が望ましく――
それは、
――議論参加式
ないし、
――企画関与式
である――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
ここでいう「議論参加式」ないし「企画関与式」とは――
どういう意味か――
……
……
文字通りの意味です。
議論参加式の問題では――
受験者は、出題者の設定する議論に参加をし――
その議論の深まりに、どれくらい貢献をしたかによって評価されます。
例えば、
――ディープ・ラーニングの新しさとは何であったか。
というテーマで議論をする――
議論に参加をするのは――
受験者10人くらいと、試験監督者1~2人――
試験監督者は議論に直接には参加をせず――
進行役を務めます。
議論の最中――
受験者は、何をみてもOKです。
ネットは検索し放題――
電子辞書・電子辞典・ノートPC・タブレット、すべて持ち込み可――
紙の書籍やノートの類いも、物理的に持ち込める量なら、問題なし――
そして――
議論が終わった後に――
各受験者は、自分以外の受験者の中から、
――議論を深めるのに優れた貢献をした。
とみなせる受験者を適当な人数で選び出し――
その根拠を論述する――
各受験者が選び出す人数は――
その入学試験の倍率によります。
倍率が2倍なら、4~5人――
倍率が3倍なら、2~3人――
倍率が5倍なら、1~2人――
というように――
一方――
試験監督者(あるいは、完全に独立した立場の採点者)は――
各受験者の選び出しの仕方を採点します。
つまり――
各受験者が、「議論を深めるのに優れた貢献をした」とみなした受験者について――
その理由の説明に説得力があるかどうかを査定します。
その結果によって重みづけがされた上で――
どの受験者が、議論の深まりに、どのくらい貢献をしたかを、評価します。
……
……
ちょっとわかりづらいので――
具体例を示しましょう。
例えば――
倍率が3倍の入学試験で――
受験者A、B、C、D、E、F、G、H、I、Jの10人が議論に参加をした――
議論が終わった後――
各受験者は、議論を深めるのに優れて貢献をした受験者を、次のように選び出した――
A → E、H
B → A、E、I
C → B、D
D → A、E、F
E → B、C、G
F → E、H、I
G → C、F
H → E、J
I → D、G、J
J → C、G
一方――
各受験者の選び出しの仕方の採点結果は、次のようであった――
A 7点
B 8点
C 2点
D 6点
E 8点
F 5点
G 3点
H 4点
I 2点
J 3点
そうしますと――
受験者Aは、受験者B、Dによって選び出されています。
よって――
受験者B、Dの採点結果の和をもって――
受験者Aの評価とします。
つまり、
8+6 = 14点
です。
同様に――
受験者Bは、
2+8 = 10点
とし――
受験者Cは、
8+3+3 = 14点
とし――
受験者Dは、
2+2 = 4点
とし――
受験者Eは、
7+8+6+5+4 = 30点
とし――
……
……
受験者Jは、
4+2 = 6点
とします。
……
……
こうした議論を10回くらい繰り返し、各議論での評価を足し合わせて――
入学試験の合否を決めます。
もちろん――
議論のテーマは、毎回、異なったものとし――
議論のメンバーも、その都度、組み換えていきます。