マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

出題者の怠慢

 ――入学試験の悪質度

 という尺度よって――

 その入学試験の良し悪しをある程度は客観的に表せるのなら――

 出題者の意識は大いに変わるであろう――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 例えば、

 ――試験時間を延ばした場合の単位時間あたりの平均点の上昇

 を、

 ――入学試験の悪質度

 とみなす場合は――

 出題者は、

 ――どうしたら試験時間内に志願者の知識や理解を十分に測りきることができるであろう。

 ということを十分に考えるようになるでしょう。

 

 そして、

 ――どの問題が“入学試験の悪質度”を上げそうか。

 の視点で、入学試験の内容について事前に丹念に吟味をするようになるでしょう。

 

 つまり、

 ――志願者の多くが時間さえかければ正解に辿りつけてしまいそうな問題はどれか。

 という意識で入学試験の内容を見直していくようになる――

 ということです。

 

 ――時間さえかければ正解に辿りつけてしまいそうな問題

 というのは――

 例えば、

 ――問題の文が無目的に長い。

 とか、

 ――数値や記号の操作(演算)だけを求める。

 とかいった問題が当てはまります。

 

 このような問題は、いずれも――

 出題者の観点では、

 ――多くの志願者の得点を手っ取り早く低めることができる。

 という意味で重宝をされがちなのですが――

 志願者の観点では、

 ――出題者からの悪質な嫌がらせ

 以外の何ものでもありません。

 

 もちろん――

 出題者にとっては―― 

 志願者の得点分布を巧みに散りばめていく必要があります――そうしないと円滑な合否判定に差し支えるからです。

 

 それゆえに、

 ――多くの志願者の得点を手っ取り早く低めることができる。

 という発想に立ってしまうのですが――

 

 それは、

 ――出題者の怠慢

 といってよいでしょう。