マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

なぜ、もう少し『孫氏』を学んでおかなかったのか

 ――現在のロシア政府の最高指導者は、戦争の素人のようである。

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 誤解のないように述べておきますと――

 一国の政府の最高指導者が、戦争の素人であっても、何ら問題はありません。

 

 戦争の玄人からの意見具申を巧みに活かすことで――

 あたかも戦争の玄人であるかのような決断を下していけばよいのです。

 

 現在のロシア政府の最高指導者が、戦争の素人であるようにみえてしまっているのは――

 おそらく、戦争の玄人を的確に用いることができていないからです。

 

 ……

 

 ……

 

 なぜ戦争の玄人を的確に用いることができていないのか――

 

 その理由は――

 きょうは措きます。

 

 本人の心身の状態や本人の周辺の状況をつぶさに調べない限り――

 確かなことは何もいえません。

 

 が――

 こうした観点から、大変に興味深いのは――

 現在の中国政府の対応です。

 

 中国政府の首脳部は――

 これまでの国際社会における発言や行動をみていきますと――

 ロシア政府を支えたくて援けたくて仕方がないはずです。

 

 アメリカ政府と、しきりに事を構えようとしてきた中国政府の首脳部にとって――

 今回のロシア政府によるウクライナ侵攻は、アメリカ政府に揺さぶりをかける絶好の機会でした。

 

 が――

 ロシア政府のやり方があまりにも拙かったので――

 その機会をなかなか活かせずにいる――

 というのが、実情のように思われます。

 

 中国政府にしてみたら――

 今回のロシア政府のやり方は、

 ――拙い

 以外の何ものでもないでしょう――中国は、何といっても、あの『孫氏』を生み出した国なのです。

 

 ――百回の戦いに百回とも勝つのが最善ではない。戦いによらずに屈服をさせるのが最善である。

 とか、

 ――戦争は国の一大事であり、国民の生死や国家の存亡がかかる。その点を察しないことがあってはならない。

 とか――

 きのうの『道草日記』で述べた通りですね。

 

 ――いったい何をやっているのか。

 と――

 中国政府は呆れかえっているかもしれません。

 

 あるいは、

 ――なぜ、もう少し『孫氏』を学んでおかなかったのか。

 と――

 憤っているかもしれませんね。