マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

戦争は素人でも、政治は玄人なのか

 ――現在のロシア政府の最高指導者は、戦争の素人のようである。

 ということを――

 きのう・おとといの『道草日記』で述べました。

 

 では、

 ――政治

 については、どうでしょうか。

 

 つまり――

 現在のロシア政府の最高指導者は、政治については、玄人なのでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 今回のロシア政府によるウクライナ侵攻で――

 実に大勢の人々が亡くなりました。

 

 ウクライナの人々だけでなく――

 ロシア軍の将兵らも数多く亡くなっています。

 

 家族・親族や友人・知人を亡くした人たちの多くは――

 今回のロシア政府によるウクライナ侵攻を、いつまでも忘れることなく、かつ決して許さないでしょう。

 

 その怨念は――

 一世代で消えることはなく、何世代にもわたって続くはずです。

 

 ロシア政府は――

 第二次世界大戦ナチス・ドイツがそうであるように――

 今後、少なくとも百年くらいにわたって、ウクライナのほぼ全ての人々およびロシアの一部の人々に、深く恨まれることになるでしょう。

 

 そんなふうに、人々から深く恨まれるような軍事行動に出てしまったロシア政府の最高指導者を、

 ――政治の玄人

 とみなすことは、はたして妥当なのでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――政治

 とは、

 ――社会における利害関係の調整

 です。

 

 その“利害関係の調整”を巧みにやり遂げることで――

 人々から恭しく尊敬をされるまではいかなくても―― 

 人々から激しく憎悪をされないようにするのが、

 ――政治の玄人

 です。

 

 自国の軍隊を隣国へ強引に向かわせるような政治は、

 ――社会における利害関係の調整が破綻をしてしまっている。

 といってよいでしょう。

 

 そういう“調整”なら、とくに玄人でなくても、できるに違いありません。

 

 現在のロシア政府の最高指導者は――

 その約 20 年の経歴の中で、たしかに、

 ――政治家として一定の業績は残してきた。

 と評価はされています。

 

 が――

 今回のロシア政府によるウクライナ侵攻によって――

 これだけ多くの人々の心に怨念を植えつけてしまった現実を踏まえますと、

(政治の玄人ではありえない)

 と評価をされるのが妥当のように思います。

 

 もちろん――

 この世に完全無欠の政治家などは絶対に存在をしないのですが――

 

 それにしても――

 現在のロシア政府の最高指導者は、

 ――利害関係

 の、

 ――害

 のほうを、あまりにも広く、酷く、巻き散らしすぎです。