マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「ロシア政府によるウクライナ侵攻」という呼称をいかに改めるか

 ロシア軍がウクライナ国内の奥深くへ侵入をしたのは、2022年2月24日のことでした。

 

 以後――

 一連の武力紛争のことを、僕は、

 ――ロシア政府によるウクライナ侵攻

 と呼んできました。

 

 が―― 

 そろそろ、

 (呼び方を改めるほうがいい)

 と思い始めています。

 

 (起こっていることは明らかに戦争なのだから、「侵攻」ではなく、「戦争」を用いるほうがいい)

 と思ったのです。

 

 この武力紛争で戦い合っているのは、ロシア軍の将兵ウクライナ軍の将兵およびウクライナ軍に協力をしているウクライナ在住の人々とです。

 

 もう少し簡単にいえば、

 ――ロシア軍とウクライナの人々――

 です。

 

 よって――

 一連の武力紛争を、

 ――ロシア・ウクライナ戦争

 と呼ぶのは一見、妥当です。

 

 略して、

 ――ロ・ウ戦争

 ですね。

 

 あるいは、

 ――ロシア

 が、漢字で、

 ――露西亜

 であり、

 ――ウクライナ

 が、漢字で、

 ――宇克蘭

 であるから、

 ――露宇戦争

 と表記をしてもよいでしょう。

 

 あるいは、「ロシア」「ウクライナ」の順番を入れ替えて、

 ――ウクライナ・ロシア戦争

 ――ウ・ロ戦争

 ――宇露戦争

 と呼んでもよい――

 

 が――

 こうした2つの国名の連記の呼称ですと、ロシアとウクライナとの双方が始めたくて始めた戦争であるかのような印象を与えます。

 

 実際には、ロシア政府が一方的に侵入を企てた――

 

 よって、

 ――ロシア戦争

 とか、

 ――露戦争

 とかと呼びたいところなのですが――

 戦場の殆どはウクライナ国内なのですよね。

 

 この経緯を重くみるならば、

 ――ウクライナ戦争

 とか、

 ――宇戦争

 とかと呼びたくなります。

 

 が――

 それでは――

 ウクライナ政府がロシアに対して一方的に戦いを仕掛けたような印象を与えてしまう――

 

 それは――

 決定的な誤解を招く――

 

 悩ましい問題です。

 

 ……

 

 ……

 

 以上の難点を棚上げにするために――

 僕は、一連の武力紛争のことを、

 ――ロシア政府によるウクライナ戦争

 と呼ぶことにします。

 

 もちろん、

 ――戦争

 の代わりに、

 ――侵略

 を用いてもよいのかもしれません。

 

 つまり、

 ――ロシア政府によるウクライナ侵略

 ですね。

 

 が、

 ――侵略

 というのは、

 ――戦争

 の側面の一つに過ぎません。

 

 よって、

 ――ロシア政府によるウクライナ侵略

 と呼んだ途端に――

 一連の武力紛争の本質を見落としかねない、と――

 僕は思うのです。