マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「戦争、反対!」という標語の「戦争」とは?

 ウクライナの首都近郊のロシア軍が去っていった地域には――

 民間人の惨たらしい遺体が数多く放置をされていたそうですね。

 

 日本で報道に携わっている人たちが、

 ――とてもテレビでは流せないような映像ばかりが届いている。

 と、こぼしているそうです。

 

 このような悪行を――

 ロシア軍がやったのか、ウクライナ軍がやったのか――

 あるいは――

 政府の正規軍がやったのか、義勇兵などの非正規軍がやったのか――

 

 ……

 

 ……

 

 ロシア政府は「ウクライナ軍の仕業である」と主張をしているそうですが――

 

 場所がウクライナの首都近郊であり、そこへロシア軍が数週間ほど駐留をしていた状況を考えると―― 

 ウクライナ軍がやったとは考えにくく――

 おそらくは、ロシア軍の仕業なのですが――

 

 そうだとして――

 ロシア政府が直に統帥をしていた将兵たちがやったのか、それとも、ロシア政府が臨時に雇い入れた傭兵たちがやったのかは――

 判然としないようです。

 

 とはいえ――

 正規軍であろうと、非正規軍であろうと――

 ロシア政府の管理下に置かれている点では一緒ですから――

 その区別に、あまり意味はないでしょう。

 

 ……

 

 ……

 

 こういうことになるから、

 ――戦争は絶対にダメ――

 という話になるのです。

 

 ――戦争

 は、どんなに奇麗ごとを並べたところで、しょせんは、

 ――人と人との殺し合い

 です。

 

 殺し合いを毎日ふつうにやっていれば、このような惨劇は、どこかで必ず起こります――いつも殺し合いをやっている人たちに――あるいは、いつも殺し合いをやらざるを得ない状況に追い込まれている人たちに――道徳的な理性や普遍的な誠意、無尽蔵の博愛を求めても、仕方がありません。

 人は弱い存在です。

 

 ただし――

 

 一つだけ――

 見過ごせないことがあります。

 

 それは、

 ――戦争は絶対にダメ――

 というときの「戦争」は――

 あきらかに、

 ――侵略戦争

 である――

 ということです。

 

 さらにいえば、

 ――「自衛のため」と称される侵略戦争

 です。

 

 そんな、

 ――侵略戦争

 を一方的に仕掛けられたほうは――

 やはり、自衛のための戦争に乗り出さざるを得ない――目の前で起こっている犯罪から身を守らねばならないのと同じです。

 

 ……

 

 ……

 

 ――侵略戦争

 というのは、要するに、

 ――国家の犯罪

 です。

 

 その犯罪から身を守ることまで、

 ――絶対にダメ――

 とは、誰にもいえません。

 

 ……

 

 ……

 

 ――戦争、反対!

 という標語がありますね。

 

 1970年代生まれの僕は――

 物心がついたときから――

 この標語を繰り返し見聞きしてきました。

 

 が――

 ここでいう「戦争」というのも――

 実は、

 ――「自衛のため」と称される侵略戦争

 なのですよね。

 

 そのことが、これまでの日本の人々によって強く意識をされてきたかどうかは微妙ですが――

 今回のロシア政府によるウクライナ侵攻の報道に接し――

 多くの日本の人々が、そのように意識をし始めたことでしょう。

 

 少なくとも僕は、そうです。