マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“自分たち本位”ではなく、“自分本位”か

 現在のロシア政府の最高指導者が基づいていると考えられる観点として、

 ――自分の歴史認識の正しさの証明の試み

 や、

 ――現在の国際情勢の戦乱化の試み

 がある――

 ということを、きのう・おとといの『道草日記』で述べました。

 

 もう一つ――

 考えられる観点があります。

 

 それは、

 ――自分の悪名を後世に轟かせる試み

 です。

 

 どうすれば自分の名前が後世の歴史に忌まわしい衝撃を伴って刻まれるか――

 その衝撃を少しでも大きくするには、どうすればよいか――

 そのためには、核兵器を含む大量破壊兵器を、いつ、どこで、どんなふうに使うのが最も効果的か――

 そうした観点です。

 

 つまり――

 現在のロシア政府の最高指導者にとって――

 自分の名前をいかに凄惨に歴史へ残すかが重要なのであって――

 そのためには、自分たちの国益が大きく損なわれても何ら構わない――

 ということです。

 

 この観点は、

 ――自己顕示の極み

 という意味で、自分本位です。

 

 もちろん、

 ――自分の歴史認識の正しさの証明の試み

 や、

 ――現在の国際情勢の戦乱化の試み

 も、それなりに自分本位ではあるのですが――

 

 これらの観点は――

 どちらかというと、

 ――自分本位

 というよりは、

 ――自分たち本位

 です。

 

 つまり――

 自分の利益や感情だけでなく、自分を支えているロシアの一部の人々の利益や感情を汲み取った観点――

 ということです。

 

 が、

 ――自分の悪名を後世に轟かせる試み

 という観点は、完全に、

 ――自分本位

 ですよね。

 

 おそらく――

 現在のロシア政府の最高指導者を支えている人々の多くも、

 ――それは、いくら何でも、あんまりだ。

 と思うことでしょう。

 

 よって――

 現在のロシア政府の最高指導者が――

 この観点に基づいて合理的に決断を下し続けている可能性は、かなり低いとは思います。

 

 が――

 

 (はたして、可能性はゼロか)

 と問われると――

 返答に窮します。

 

 少なくとも―― 

 それと似たような動機で犯罪行為に及ぶ個人というのは、古今東西を問わず、珍しくありません。

 

 そのような犯罪者の殆どが、

 ――たまたま国家元首ではなかった。

 というだけのことです。

 

 なので――

 

 (ひょっとして……)

 と思います。