ロシア政府がウクライナ戦争を始めてから――
日本国内においても――
安易に、
――戦争反対――
とはいえない雰囲気になってきました。
――ひとたび外国に侵略をされたら、「戦争反対」などとはいっていらない。ただちに防衛をしなければ、民主主義の政体はおろか、自分たちの精神や身体の自由、あるいは自分たちの生命や財産が奪われるかもしれない。
ということです。
つまり、
――侵略戦争反対――
というのは、ともかくとして、
――防衛戦争反対――
というのは、自殺行為に等しい――
ということですね。
おそらく――
現在、日本に住んでいる人たちの殆どは、
――防衛戦争はともかく、侵略戦争には反対である。
と考えています。
ところが――
ここで問題になってくるのは、
――防衛戦争と侵略戦争とは簡単には区別ができない。
という経験則です。
人の歴史を振り返ると――
殆どの侵略戦争は、侵略の予防を目的とした“防衛戦争”なのですね。
今回のロシア政府によるウクライナ戦争も――
ウクライナの人々や日本を含む主要7か国(Group of Seven, G7)首脳会議の参加国の人々の殆どにとっては、
――侵略戦争――
なのですが――
少なくともロシア政府にとっては、
――防衛戦争――
なのです。
よって、
――侵略戦争反対――
というときには、
――外国からの侵略の予防を目的とする“防衛戦争”にも反対――
という必要もあり――
これは、かなり素朴な意味で、
――勇気
を必要とする態度です。
なぜかというと、
――外国からの侵略の予防を目的とする“防衛戦争”にも反対――
ということは、
――外国から実際に侵略を受けるまでは積極的な軍事行動をしない。
ということであるからです。
もっと、わかりやすくいえば、
――外国の軍隊から攻撃を受けて実際に被害が出るまでは攻撃をしない。
ということです。