現在のロシア政府の最高指導者が基づいていると考えられる観点として――
例えば、
――自分の歴史認識の正しさの証明の試み
という観点がある、ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
これ以外に考えられる観点としては――
例えば、
――現在の国際情勢の戦乱化の試み
があります。
もう少し、わかりやすくいえば、
――どうすれば第三次世界大戦を引き起こせるか。
という観点です。
つまり――
現在のロシア政府の最高指導者は――
自分たちの国益が大きく損なわれても構わないので、国際情勢を戦争が世界各地で勃発をするような軍事的に極度に不安定な状況へ変えていくことを目指しているのではないか――
ということです。
そのような国際情勢をもたらすことで――
現在、アメリカ政府や西ヨーロッパ諸国の政府の主導になっている国際社会の枠組みを一から作り直すことができる機会を探っていく――
ということです。
そのようなことを、現在のロシア政府の最高指導者が、もし本気で目指しているのだとしたら――
それは、
――現在の国際秩序は間違っている。
という信念に依っている――おそらくは、偏見に満ちた先入観に依っている――
といえるでしょう。
――言論に基づいて政治を行っていくのは間違っている。政治とは、古来、武力に基づいて行われてきた。これからも、そうであるべきだ。
という思い込みですね。
背景にあるのは、
――言論は争いを起こすが、武力は争いを止める。
という発想です。
――現在の国際秩序では、言論に重きが置かれているがゆえに、世界中で争いが繰り返し起こされている。争いを止めるには、武力に重きが置れる新しい国際秩序が必要である。そのような国際秩序が新たに作り上げられるならば、たとえ自分たちの国家が滅びても構わない。
そのような考えがあるのかもしれません。