21世紀序盤の現代における地球上の国際情勢にとって、
――世界政府の樹立
という概念は――
16世紀における日本列島の国内情勢にとっての、
――天下統一
の概念に似ている――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
どこが似ているのか――
……
……
――絶え間なく続く戦争を終わりにする武力統一
という点が似ています。
16世紀における日本列島の国内情勢で――
いわゆる
――天下統一
が成就をされ、維持をされたのは――
もちろん、豊臣政権や徳川幕府の首脳部に傲岸不遜や私利私欲があったためといえなくはないにせよ――
少なからず、
――どうにかして戦争を終わりにしたい。
という建前が、人々の胸中で幅広く共有をされたからに違いありません。
たしかに――
豊臣政権や徳川幕府が、当時の日本列島に住まう人々から諸手を挙げて歓迎をされたわけではありませんでしたが、
――これで、しばらく戦争はなさそうだ。
との安堵の実感が――
人々をして豊臣政権や徳川幕府の漠然とした支持に向かわしめたことは――
想像に難くありません。
それと同じことが――
21世紀序盤の現代における地球上の国際情勢にもいえるのではないでしょうか。
つまり、
――これで、しばらく戦争はなさそうだ。
との安堵の実感をもたらす武力統一が21世紀序盤の現代における地球上の国際情勢にもたらされることによって初めて、
――世界政府の樹立
は成就をされ、維持をされうるであろう――
ということです。
大切なのは、
――これで、しばらく戦争はなさそうだ。
との安堵の実感を、21世紀序盤の現代における地球上に住まう人々の殆どの胸中にもたらすことができるかどうかの一点です。
それ以外の価値観については――
おそらく、そんなに重きは置かれない――
その武力統一が、
――これで、しばらく戦争はなさそうだ。
との安堵の実感を人々の胸中に確かにもたらすのであれば――
その武力統一が、民主主義国家の陣営によって成就をされるか、権威主義国家の陣営によって成就をされるか、それ以外の価値観を奉じる陣営によって成就をされるかについては――
おそらく、ほとんど留意をされることがない――
ということです。