21世紀序盤の現代における地球上の国際情勢が――
もし、武力によって統一をされるとしたら――
その武力統一は――
ロシア政府や中国政府が、自分たちの主導権を奪われる形で、
――北大西洋条約機構
への参加を強いられることによって、もたらされるのではないか――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
ここで気になるのは――
ロシア政府や中国政府が、どのような形で自分たちの主導権を失っていくのか――
ということです。
理想的な失い方は――
当たり前のことですが、
――戦火を一度も交えずに主導権を失っていく。
というものです。
つまり――
北大西洋条約機構に参加をしている諸国家の軍事力が今後も増強を続けることによって、参加をしていない諸国家の軍事力を圧倒的に抑え込むようになる結果――
ロシア政府も中国政府も、自然と、
――恭順の意
を示すようになる――
ということです。
これは、
――流血をみない。
という点では、あきらかに理想のシナリオといえますが――
おそらく、そう簡単には事は進まないでしょう。
ロシア政府も中国政府も、
――大国意識
を強く持っています。
ロシア政府は、1980年代の後半まで、ソビエト連邦の母体となって、冷戦構造の一方の盟主を務めていました。
中国政府は、冷戦後、経済発展で成功を遂げ、ソビエト連邦に代わる新たな盟主の座を目指しています。
そのような両国政府が、北大西洋条約機構の武威に簡単に靡(なび)くとは、ちょっと考えにくい――
少なくともロシア政府は――
今回のウクライナ侵攻に際し、北大西洋条約機構と戦火を交える覚悟を決めていたでしょう――そうでなければ、このような軍事行動は起こせないはずです。
中国政府も――
台湾の帰属を巡って、北大西洋条約機構と戦火を交える覚悟を決めているでしょう。
中国政府が台湾侵攻に踏み切れば、アメリカ軍を敵に回す可能性は格段に跳ね上がります。
アメリカ軍を敵に回せば、北大西洋条約機構を敵に回すことは自明の理です。
要するに――
ロシア政府も中国政府も北大西洋条約機構の軍門に簡単には降るまい――
ということです。