マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

独裁者が戦争を仕掛けたり、仕掛けられたりすることが多い理由

 ――戦争は独裁者が誤算をしたときに起こる。

 という話を――

 ロシア政府によるウクライナ侵攻が勃発をしてから――

 よく耳にするようになりました。

 

 現在のロシア政府の最高指導者は、

 ――独裁者

 と呼ばれることが多いので――

 今回のロシア政府によるウクライナ侵攻は、

 ――独裁者が仕掛けた戦争

 といえそうです。

 

 一方――

 2003年のアメリカ政府およびイギリス政府によるイラク侵攻は、

 ――独裁者が仕掛けられた戦争

 といえるでしょう――当時のイラク政府の最高指導者も、また、

 ――独裁者

 と呼ばれることが多かったのです。

 

 なぜイラクアメリカ政府やイギリス政府に戦争を仕掛けられたのか――

 

 ……

 

 ……

 

 思いっきり簡単にいってしまうと、

 ――当時のイラク政府の最高指導者が、アメリカ政府による自国への警告ないし威嚇が本気であるとは思わなかったから――

 といわれています。

 当時のイラク政府の最高指導者は、存命のままアメリカ軍に拘束をされたため、証言が残されました。

 

 ……

 

 ……

 

 なぜ独裁者は戦争を仕掛けたり、仕掛けられたりすることが多いのか――

 

 ――戦争は独裁者が誤算をしたときに起こる。

 という言説によれば――

 その問いの答えは簡単です。

 

 ――独裁者は誤算をしやすいから――

 です。

 

 が――

 この問いに本質はありません。

 

 より本質的な問いは、

 ――なぜ独裁者は誤算をしやすいのか。

 です。

 

 僕は、

 ――誤算をしやすいのは独裁者だけではない。

 と考えています。

 

 ――人は全て誤算をしやすい。

 と――

 

 ただし、

 ――独裁者の誤算

 と、

 ――ただの人の誤算

 とでは、状況が違うのです。

 

 ただの人の誤算は、誰かによって即座に正されることが多い――

 が、独裁者の誤算は、誰によっても正されることがない――

 よって、

 ――独裁者は戦争を仕掛けたり、仕掛けられたりすることが多い。

 と考えられます。