――再起可能の失敗
と、
――再起不能の失敗
との区別を明確につけるためには、
――誰かの命が失われる可能性
をある水準で切り捨てる必要があり――
その水準は――
統計学の慣例に従えば、
――確率 5 %未満
である――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
が――
この、
――確率 5 %未満
という基準は――
例えば、
―― 100 人について、3 ~ 4 人の命が失われる可能性
であるので、
――再起可能の失敗
と、
――再起不能の失敗
との区別をつけるのには不適切ではないか――
ということも述べました。
―― 100 人のうちの 3 ~ 4 人
というのは――
やはり、どう考えても多すぎると思うのです。
では、どうするか――
……
……
僕は、
――失われる人命の数の期待値が 1 未満
というのを考えています。
例えば――
ある“再起不能の失敗”が起こることによって――
失われるうる人命の数が 100 のときは、
――確率 1 %未満
で切り捨て――
失われるうる人命の数が 1 のときは、
――確率 100 %未満
で切り捨てる――
ということです。
おとといの『道草日記』では、
――潰した会社の従業員が路頭に迷って自殺をする可能性
および、
――離婚をしたことで人生に絶望をして自殺を図る可能性
の2つを具体例を挙げました。
1つめの具体例に沿って述べれば、
――潰した会社の従業員が 20 人であれば、従業員の命の失われる確率が 5 %未満のときに、その確率をゼロとみなす。
であり、
――潰した会社の従業員が 10 人であれば、従業員の命の失われる確率が 10 %未満のときに、その確率をゼロとみなす。
であり、
――潰した会社の従業員の数が 100 人であれば、従業員の命の失われる確率が 1 %未満のときに、その確率をゼロとみなす。
である――
ということです。
2つめの具体例に沿って述べれば、
――離婚をしたことで人生に絶望をして自殺を図ることによって失われるうる命は自分自身の命1つだけであるから、自分自身の命の失われる確率が 100 %未満のときに、その確率をゼロとみなす。
つまり、
――離婚をしたことで人生に絶望をして自殺を図ることによって、その自殺が既遂になると確実にわかっているとき以外は、自分自身の命の失われる確率をゼロとみなす。
ということです。