――人は同じことを繰り返すので、同じ失敗を繰り返す。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
同じことを繰り返すのは――
たぶん人に限った話ではありません。
すべての動物にいえることでしょう。
ですから、
――人は同じことを繰り返すので――
ではなく、
――ヒトは同じことを繰り返すので――
と記すほうが、よいかもしれません。
なぜ動物は同じことを繰り返すのか――
……
……
――同じことを繰り返すほうが、生存の確率が高まるから――
と考えられます。
厳しい自然環境においては――
様々なことを場当たり的に試していると――
その試行のうちのどれかが致命的である可能性が高まります。
つまり――
場当たり的に試していくことのどれかが、
――自分自身の命が失われる失敗――再起不能の失敗
をもたらすかもしれない――
よって――
すべての動物は、基本的には、同じことを繰り返すようになっている――
が――
もちろん――
ずっと同じことを繰り返していても、危険になることはあります。
それは、自然環境が大きく変化をしたときです。
自然環境が大きく変化したときは――
その変化に合わせ、これまでとは違う新しいことを試さないと――
生き残れません。
その適応に際し、重要になってくるのが、
――学習
です。
これまでにわかっていることをすべて踏まえて――
最も生き残りやすそうな試行を一つひとつ慎重に選んでいく――
もちろん、ときには学習によらず、何となく気ままに選んで試すこともあるでしょう。
そういう気まぐれが、思いがけず、生存に寄与をすることもあるでしょう。
が――
それは、ただの僥倖です。
変わり続ける自然環境の中で――
自分自身の生存の確率を高めていくのは、あくまでも、
――学習
であって、
――気まぐれ
ではありません。
つまり、
――すべての動物は、いつもは同じことを繰り返していて、いざというときに限り、学習によって何か新しいことを試し、生存の確率を高めている。
といえます。