マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自然知能の原理体系

 ――自然知能の“指令体系”

 という表記を――

 きのうまでの『道草日記』では、とくに断りを入れずに用いてきましたが――

 

 もちろん――

 自然知能に指令体系などがあろうはずもありません。

 

 指令体系があるのは、あくまでも人工知能です。

 

 ――人工知能

 というのは――

 突き詰めて考えれば、

 ――コンピュータ(computer)

 という名前の機械のことであり――

 その機械に、

 ――プログラム(program)

 という名前の指令体系があることは広く知られた事実ですから――

 

 ――人工知能の指令体系

 という語句には、そんなに違和感はないと思います。

 

 が、

 ――自然知能の指令体系

 という語句は、ちょっと、おかしい――

 

 ――人工知能には人が指令を出しているが、自然知能には誰が指令を出しているというのか。神か。

 といった話になってしまいます。

 

 よって、

 ――人工知能の指令体系に該当をしうる自然知能にとっての何らかの体系

 という意味で、

 ――自然知能の“指令体系”

 という表記を用いてきました。

 

 ところで――

 

 人工知能の指令体系は、

 ――プログラム(program)

 です。

 もっといえば、

 ――コンピュータ・プログラム(computer program)

 です。

 

 コンピュータ・プログラムは、いわゆる、

 ――プログラミング言語(programming language)

 で表されます。

 

 プログラミング言語は、日本語とか英語とかラテン語とかいった自然言語との対比で、

 ――人工言語

 と呼ばれます。

 

 よって――

 もし、自然知能の“指令体系”が、コンピュータ・プログラムのようなものであれば――

 おそらく、それは人工言語で表されうるでしょう。

 

 が――

 その人工言語が表している内容は、人工のものではありません。

 

 自然のものです。

 

 そして――

 おそらく、それは、

 ――知能の原理

 です。

 

 よって、

 ――自然知能の“指令体系”

 というのは、

 ――自然知能の原理体系

 とでも呼びうるものでしょう。