マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自然知能における“作動原理系”と“作用原理系”との差異は、その“原理体系”を受動的に眺めているだけでは見出せない

 自然知能における、

 ――作動原理系

 と、

 ――作用原理系

 との差異を考える上で――

 コンピュータ(computer)における、

 ――システム・ソフトウェア(system software)

 と、

 ――アプリケーション・ソフトウェア(application software)

 との差異を手掛かりにする発想について考えています。

 

 ここでいう「システム・ソフトウェア」の「システム(system)」とは、事実上「オペレーティング・システム(operating system)」のことです。

 よく「オーエス(OS)」といったりしますよね。

 

 ――オペレーティング・システム

 は、システム・ソフトウェアの代表格ですが――

 これだけが「システム・ソフトウェア」と呼ばれているわけではなく――

 

 そもそも、「システム・ソフトウェア」という概念は、コンピュータのハードウェア(hardware)の制御や管理を担うソフトウェア(software)の総称であり――

 その概念の境界は曖昧です。

 

 もちろん「アプリケーション・ソフトウェア」という概念との境界も曖昧であり――

 どこまでを「システム・ソフトウェア」とみなし、どこからを「アプリケーション・ソフトウェア」とみなすかも、一意には決まりません――ソフトウェアの製作者によって、まちまちであるそうです。

 

 みすごせないことは――

 コンピュータの創成期のソフトウェアは、システム・ソフトウェアとアプリケーション・ソフトウェアとが混然一体となっていた――

 という史実です。

 

 つまり――

 コンピュータの創成期の開発者たちは、まずシステム・ソフトウェアを書き出し、次いでアプリケーション・ソフトウェアを書き出したわけではなくて――

 様々なソフトウェアを書いているうちに、「ソフトウェア」の概念は「システム・ソフトウェア」と「アプリケーション・ソフトウェア」という2つの概念に分けたほうが好都合であることを悟ったのです。

 

 コンピュータにおけるソフトウェアやシステム・ソフトウェアないしアプリケーション・ソフトウェアの開発の経緯は――

 そのまま、自然知能における“原理体系”や“作動原理系”ないし“作用原理系”の洞察の過程と重なるでしょう。

 

 つまり――

 自然知能において――

 その“原理体系”に“作動原理系”と“作用原理系”との差異を見出すことが可能であるかどうかは、いま一つ判然としませんが――

 もし、可能であったとしても――

 その差異は、人が能動的に見出していくべき差異であって、その“原理体系”を受動的に眺めているだけでは決して見出せない差異に違いないのです。