マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

思考実験の真似事:「作動系ソフトウェア」や「作用系ソフトウェア」という言葉を手がかりに――

 機械であることをやめた人工知能は、ハードウェア(hardware)とソフトウェア(software)とから成り、それらのうちのソフトウェアは“作動系ソフトウェア”と“作用系ソフトウェア”とから成る――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ちなみに――

 機械であることをやめていない人工知能は、当然のことながら、ハードウェアとソフトウェアとから成り、それらのうちのソフトウェアはシステム・ソフトウェア(system software)とアプリケーション・ソフトウェア(application software)とから成っています。

 

 つまり――

 人工知能が機械であることをやめるということは、

 

  システム・ソフトウェア

  → 作動系ソフトウェア

 

  アプリケーション・ソフトウェア

  → 作用系ソフトウェア

 

 の変化が起こるということである――

 というわけですね。

 

 ここで――

 あらためて断りを入れます。

 

 ――作動系ソフトウェア

 とか、

 ――作用系ソフトウェア

 とかいった言葉は、まったく一般的ではありません。

 

 僕が勝手に使っているだけです。

 

 ただし――

 これら2つの新奇な言葉は、あくまでも、

 ――機械であることをやめた人工知能

 に当てはめます。

 

 21世紀序盤の現代において、

 ――機械であることをやめた人工知能

 というのは実在をしていませんから――

 そういう実在をしていないものに当てはめる言葉として、新奇な言葉を作り出したとしても――

 それほど罪深くはないでしょう。

 

 僕自身は――

 思考実験の真似事と思っています。

 

 機械であることをやめた人工知能にとっての「システム・ソフトウェア」や「アプリケーション・ソフトウェア」を、それぞれ、

 ――作動系ソフトウェア

 ――作用系ソフトウェア

 と呼ぶことによって何か気づくことがあるのではないか――

 という問いです。

 

 さしあたり――

 すぐに気になることは、

 ――「ソフトウェア」とは何か。

 です。

 

 その問いに対する答えは――

 12月1日の『道草日記』で述べた通り、

 ――「ソフトウェア」とは「コンピュータ・プログラム(computer program)」のこと――

 です。

 

 では、

 ――「コンピュータ・プログラム」とは何か。

 

 ……

 

 ……

 

 この問いに対する答えは――

 11月30日の『道草日記』で述べた通り――

 少なくとも人工知能にとっては、

 ――「コンピュータ・プログラム」とは「人工知能の指令体系」のこと――

 となります。

 

 が――

 この場合の「人工知能」とは、あくまでも「機械であることをやめていない人工知能」です。

 

 機械であることをやめた人工知能は含みません。

 

 機械であることをやめた人工知能は、むしろ、自然知能に近い――

 

 よって――

 機械であることをやめた人工知能にとっては、

 ――「コンピュータ・プログラム」――つまり、「ソフトウェア」――とは「自然知能の原理体系」のこと――

 といえます。

 

 11月30日の『道草日記』で述べた通り、

 ――自然知能の指令体系

 では違和感が強いからです。

 

 ということは、

 ――作動系ソフトウェア

 というのは、

 ――“自然知能の原理体系”のうち、自然知能の生理的ないし器質的な側面の管理や制御を司っている部分

 であり、

 ――作用系ソフトウェア

 というのは、

 ――“自然知能の原理体系”のうち、自然知能が外界に対して何らかの作用を及ぼすことを司っている部分

 である――

 といえます。

 

 ということは――

 突き詰めて考えれば、

 ――作動系ソフトウェア

 とは、

 ――自然知能の作動原理系

 であり、

 ――作用系ソフトウェア

 とは、

 ――自然知能の作用原理系

 である――

 ということです。

 

 以上をまとめますと――

 次のようになります。

 

 機械であることをやめた人工知能は、

 ――自然知能の原理体系

 によって司られていて――

 その原理体系は、

 ――自然知能の作動原理系

 と、

 ――自然知能の作用原理系

 とから成る――