マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

頭で理解をする

 恋愛(れんあい)には我慢(がまん)や覚悟(かくご)が必要である――

 ということを、のべています。

 

 なぜ恋愛に我慢や覚悟が必要なのか――

 それらの理由を言葉で表すのは、そんなに難(むずか)しくありません。

 

 自分が恋(こい)をしている人のことを大切にするには、その人も同じように自分に恋をしてくれるとはかぎらないので、いろいろと我慢(がまん)が必要があり――

 自分に恋をしている人のことを大切にするには、その人も同じように自分のことを大切にしてくれるとはかぎらないので、それなりの覚悟が必要である――

 ということです。

 

 が――

 言葉で表されたものを読んだところで――

 なぜ恋愛に我慢や覚悟が必要なのか――

 本当のところは、よくわからないのではないか、と――

 ぼくは思います。

 

 少なくとも――

 10 才のころのぼくは、よくわかりませんでした。

 

 よくわかるようになったのは――

 ちゃんとした恋愛の経験をいくらか積んで、実際(じっさい)に自分で我慢を重ねたり覚悟を決めたりするようになってからでした。

 

 ……

 

 ……

 

 もちろん――

 

 恋愛のことにかぎらず――

 言葉で表されたものを読んで理解(りかい)に努めることは、とても大切です。

 

 が――

 それだけでは、本当のところは、なかなかよくわからないのですね。

 

 実際に自分でやってみないと、なかなかよくわからない――

 

 ……

 

 ……

 

 よくわからないときには――

 決して、わかったふりをしないことです。

 

 よくわかっていないのに、わかったつもりになっていると――

 あとで、痛(いた)い思いをすることになります。

 

 言葉で表されたものを読んだり聞いたりして、わかったような気持ちになることを、

 ――頭で理解をする。

 といいます。

 

 頭で理解をすることは、とても大切です。

 とくに、10 才くらいから 20 才くらいまでの間は、頭で理解をすることが、どんどん得意(とくい)になっていく時期です。

 

 が―― 

 頭で理解をしたからといって、すべてがよくわかったわけではないのですね。

 

 むしろ――

 本当は、よくわかっていないことを、「よくわかった!」と思いこんでしまうようなことが、ときどきあります。

 

 その一番よい例が、

 ――恋愛

 です。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』