マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

腹で納得をする

 よくわかっていないことを、「よくわかった!」と思いこんでしまうことの例として、真っ先に挙げられるのが、

 ――恋愛(れんあい)

 である――

 と、きのう、のべました。

 

 とくに――

 恋愛の物語を、マンガとか本とかテレビとか映画とかで、たくさん見(み)聞(き)きしていると――

 恋愛について、

 ――頭で理解(りかい)をする。

 ということが、どんどん進でいって――

 いつしか、恋愛のことが、よくわったように思えてしまうのですね。

 

 これには――

 十分に気をつけないといけません。

 

 ……

 

 ……

 

 さて――

 

 ぼくは、何について話をしていたのか――

 

 ――恋(こい)の準備(じゅんび)

 と、

 ――恋愛の準備

 とについて、話していたのでした。

 

 10 才のころから、

 ――恋の準備

 として何ができるのか――

 あるいは、

 ――恋愛の準備

 として何ができるのか――

 

 ……

 

 ……

 

 ――恋の準備

 としてできることは、3月21日に、のべた通り、

 ――自分の気持ちの変化に、できるだけ早く気がつけるようになっておくこと

 です。

 

 が、

 ――恋愛の準備

 としてできることには、3月22日に、のべた通り、かぎりがあります。

 

 すぐにでも始められそうな準備は、

 ――恋愛の相談に乗ってくれそうな人をさがしておくこと

 です。

 

 本当の意味での、

 ――恋愛の準備

 というのは、実は、なかなかに難(むずか)しいのですね。

 

 恋愛について、

 ――頭で理解をする。

 ということを、

 ――恋愛の準備

 の1つに挙げることはできます。

 

 が――

 さきほども、のべた通り、

 ――頭で理解をする。

 ということをやりすぎると――

 本当は、よくわかっていないのに、「よくわかった!」と思いこんでしまうかもしれないのです。

 

 それは、とてもあぶないことです。

 

 ――頭で理解をする。

 ということ以外に、もっと大切なことがあるのですね。

 

 それは、

 ――腹(はら)で納得(なっとく)をする。

 ということです。

 

 ――腹に落ちる。

 とか、

 ――腑(ふ)に落ちる。

 とかいったいい方もあります。

 

 ――頭で理解をする。

 というのは、きのうも、のべた通り、

 ――言葉で表されたものを読んだり聞いたりして、わかったような気持ちになる。

 ということです。

 

 これに対し、

 ――腹で納得をする。

 というのは、

 ――頭で理解をしたことと自分で経験をしたこととを照らし合わせて「たしかに、そうだった」と、たしかめる。

 ということです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』