――好きになれそうにないこと
ばかり見つけだしているところで――
あるとき、急に、
――好きになれそうなこと
が見つけだせると――
人は、
――これだ!
と喜(よろこ)び、驚(おどろ)きの声をあげる――
と、きのう、のべました。
あることが、ものすごく好きで、ものすごく得意(とくい)であるために――
それによって世の中に広く名前が知れわたっているような人たちの多くは――
その“あること”に出会ったときに、
――これだ!
という喜びや驚きの声をあげているようである、と――
……
……
一つ、わすれてはいけないことがあります。
それは――
だれにでも、
――これだ!
と声をあげられるわけではない――
ということです。
10 人がいたら、10 人全員が、
――これだ!
と声をあげられるわけではないのですね。
では、10 人のうちの何人くらいが声をあげられるのかというと――
―― 8 ~ 9 人
という意見や、
―― 1 ~ 2 人
という意味があります。
あるいは、
―― 5 人くらい――
という意見もあります。
ぼくは、
(多くても、5 人くらい――)
と考えています。
(実際には、3 人くらいではないか)
と感じています。
(少なくとも、8 ~ 9 人ということはないだろう)
と――
……
……
おそらく――
人は、ただ何となく生きていても、
――これだ!
と声をあげることはできないのです。
――これだ!
と声をあげられるには――
さまざまな体験をくりかえすことが必要なのです。
そして――
まずは、
――好きになれそうにないこと
を1つでも多くみつけることです。
1個、2個、3個、4個、5個――
ひょっとすると――
何十個もみつかるかもしれません。
その数が多ければ多いほどに、
――好きになれそうなこと
が、みつけやすくなります。
そして――
あるときに急に、
――好きになれそうなこと
が、みつかって――
――これだ!
と声をあげられるようになるのですね。
『10 歳の頃の貴方へ――』