マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

短い時間で正しく解けるかどうか(1)

 ――数や形に関わる情報(じょうほう)

 を上手に扱(あつか)えるようになっているかどうかをみるには、

 ――算数・数学の問題を短い時間で正しく解(と)けるようになっているかどうか。

 ではなくて、

 ――算数・数学の問題を自分で作れるようになっているかどうか。

 に注目をするのがよい――

 と、きのう、のべました。

 

 同じことを――

 きょうは、もう少し具体的にのべましょう。

 

 ……

 

 ……

 

 ――算数・数学の問題を短い時間で正しく解けるようになっているかどうか。

 をみるには――

 

 例えば――

 次のような問題について、“短い時間で正しく解けるかどうか”をみればよいと考えられます。

 

   *

 

問題1

 一辺の長さが 10 cm の正方形ABCDがある。ただし、点A、B、C、Dは反時計回りに並(なら)んでいる。いま、辺ABの中点をE、辺DAの中点をFとし、点Dと点Eとを結ぶ線と点Cと点Fとを結ぶ線との交点をGとする。このとき、三角形BCGの面積を求めよ。

 

   *

 

 本当は――

 この問題文に書かれている情報をもとに図をえがいて示(しめ)せば、もっとわかりやすくなるのですが――

 

 いつぞやも、のべた通り――

 このサイトで図を示すのは、ちょっと大変なので――

 

 きょうも横着をします(笑

 

 少し、いいわけをさせてもらえば――

 高校や大学の数学では、問題文に図が添(そ)えられていることは、めずらしく――

 問題を解く人が問題文をよんで自分で図をえがくのが、ふつうなのですよ。

 

 なので――

 みなさん――

 

 もし――

 この問題の意味をちゃんとわかりたいと思ったら――

 ぜひ実際(じっさい)に図をえがいてみてください。

 

 ……

 

 ……

 

 いいわけです(笑

 

 ……

 

 ……

 

 さて――

 

 この問題は――

 これと同じような問題をたくさん解いている人にとっては、まったく難(むずか)しくありません。

 

 三角形AEDと三角形DFCとが、たがいに全く同じ形・同じ大きさの直角三角形であり――

 直角三角形AEDを時計回りに 90 ° 回転させると、直角三角形DFCと同じ向きになることから――

 点Dと点Eとを結ぶ線と点Cと点Fとを結ぶ線とは直角に――つまり、90 ° に――交わっているとわかるので――

 三角形GDCや三角形GFDは、直角三角形AEDや直角三角形DFCと同じ形・違(ちが)う大きさの直角三角形であるとわかります。

 

 このことをふまえると、辺FGと辺GCとの長さの比が 1 : 4 になるとわかるので――

 三角形BCGは、長さ 10 cm の辺BCを底辺とし、長さ 10 cm の辺CDの 5 分の 4 を高さとする三角形であるとわかります。

 

 よって――

 三角形BCGの面積は、

 

  10 ×(10 × 4/5)÷ 2

  = 40 cm^2

 

 とわかります。

 

 これと同じような問題をたくさん解いている人は――

 この問題を短い時間で正しく――例えば、10 分間で正しく――解くことは、まったく難しくありません。

 

 が――

 これと同じような問題を全然みたことがない人であれば――

 

 10 分間はおろか、10 時間をかけたとしても――

 そう簡単(かんたん)には解けないのです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』