――算数・数学の問題を短い時間で正しく解(と)けるようになっているかどうか。
をみるには――
次のような問題について、“短い時間で正しく解けるかどうか”をみればよいと考えられる――
と、きのう、のべました。
*
問題1
一辺の長さが 10 cm の正方形ABCDがある。ただし、点A、B、C、Dは反時計回りに並(なら)んでいる。いま、辺ABの中点をE、辺DAの中点をFとし、点Dと点Eとを結ぶ線と点Cと点Fとを結ぶ線との交点をGとする。このとき、三角形BCGの面積を求めよ。
*
きのうは、直角三角形AEDを時計回りに 90 ° 回転させると、直角三角形DFCと同じ向きになることに目をつけた解き方を示しましたが――
実は、この問題――
ほかにもいくつか、解き方があるのです。
例えば――
*
直角三角形AEDと直角三角形DFCとが、たがいに全く同じ形・同じ大きさであるから――
角AEDの大きさを「〇」で表し、角ADEの大きさを「✕」で表すと――
直角三角形AEDの3つの角の和は 180 ° であり、角DAEは 90 ° である――
よって、
〇 + ✕ = 90 °
である――
一方――
角DFCの大きさは「〇」で表されるから――
直角三角形GFDについて、角GDFの大きさは角ADEの大きさと同じ「✕」で表され、角GFDの大きさは角DFCの大きさと同じであり、角DFCの大きさは角AEDの大きさと同じ「〇」で表されるから――
〇 + ✕ = 90 °
であることに注意をすると――
角DGFは 90 ° であるとわかる――
よって――
三角形GDCや三角形GFDは、直角三角形AEDや直角三角形DFCと同じ形・違(ちが)う大きさの直角三角形であるとわかり――
このことをふまえると、辺FGと辺GCとの長さの比が 1 : 4 になるとわかるので――
三角形BCGは長さ 10 cm の辺BCを底辺とし、長さ 10 cm の辺CDの 5 分の 4 を高さとする三角形であるとわかる――
よって――
三角形BCGの面積は、
10 ×(10 × 4/5)÷ 2
= 40 cm^2
とわかる――
*
ほかにも、もう1つ、解き方があります。
つづきは、あす――
『10 歳の頃の貴方へ――』