マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

短い時間で正しく解けるかどうか(3)

 次に示(しめ)す算数・数学の問題について――

 

   *

 

問題1

 一辺の長さが 10 cm の正方形ABCDがある。ただし、点A、B、C、Dは反時計回りに並(なら)んでいる。いま、辺ABの中点をE、辺DAの中点をFとし、点Dと点Eとを結ぶ線と点Cと点Fとを結ぶ線との交点をGとする。このとき、三角形BCGの面積を求めよ。

 

   *

 

 この問題の解(と)き方には――

 直角三角形AEDを時計回りに 90 ° 回転させると、直角三角形DFCと同じ向きになることに目をつけた解き方のほかに――

 角AEDの大きさを「〇」で表し、角ADEの大きさを「✕」で表して、

  〇 + ✕ = 90 °

 であることに目をつけた解き方もある――

 と、きのう、のべました。

 

 きょうは――

 これら2つの解き方とは、また違(ちが)った解き方もあることをのべましょう。

 

 それは、いったい、どんな解き方かと、いいますと――

 

   *

 

 辺DEについて、点Eから、点Dと反対の方へ線をのばし――

 辺BCについて、点Bから、点Cと反対の方へ線をのばし――

 これら2本の線が交わる点をHとすると――

 三角形GFDと三角形GCHとは、たがいに同じ形・違う大きさの三角形であるとわかる――

 

 よって――

 辺FDの長さが 5 cm で、辺CHの長さが 20 cm であるから――

 三角形GCHは三角形GFDの 4 倍の大きさであるとわかる――

 

 よって――

 辺FGと辺GCとの長さの比が 1 : 4 であるとわかるので――

 三角形BCGは長さ 10 cm の辺BCを底辺とし、長さ 10 cm の辺CDの 5 分の 4 を高さとする三角形であるとわかる――

 

 よって――

 三角形BCGの面積は、

 

  10 ×(10 × 4/5)÷ 2

  = 40 cm^2

 

 とわかる――

 

   *

 

 この解き方のポイントは――

 三角形GFDと三角形GCHとが、たがいに同じ形・違う大きさの三角形であることに目をつけることです。

 

 これら2つの三角形は、たがいに同じ形・違う大きさであるだけでなく、ちょうど 180 ° 向きが違うので――

 あたかも砂時計(すなどけい)のようにみえます。

 

 よって――

 この解き方を、

 ――「砂時計」型(がた)

 と呼(よ)びましょう。

 

 また――

 きのう、のべた――

 角AEDの大きさを「〇」で表し、角ADEの大きさを「✕」で表して、

  〇 + ✕ = 90 °

 であることに目をつけた解き方を、

 ――「〇 + ✕ = 90 °」型

 と呼び――

 

 おととい、のべた――

 直角三角形AEDを時計回りに 90 ° 回転させると、直角三角形DFCと同じ向きになることに目をつけた解き方を、

 ――「90 ° 回転」型

 と呼びましょう。

 

 つまり――

 問題1には、

 ――「90 ° 回転」型

 と、

 ――「〇 + ✕ = 90 °」型

 と、

 ――「砂時計」

 との――

 少なくとも3つの解き方がある――

 ということです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』