いろいろな解(と)き方が思いうかべやすいタイプの問題1では――
問題の解き方の違(ちが)いを手がかりに、新たな問題を作りだすことができるのに対して――
解き方が、だいたい決まっているタイプの問題5では――
問題の解き方の違いを手がかりにすることなく、新たな問題を作りだす必要がある――
と、きのう、のべました。
問題1や問題5というのは――
次の通りでした。
*
問題1
一辺の長さが 10 cm の正方形ABCDがある。ただし、点A、B、C、Dは反時計回りに並(なら)んでいる。いま、辺ABの中点をE、辺DAの中点をFとし、点Dと点Eとを結ぶ線と点Cと点Fとを結ぶ線との交点をGとする。このとき、三角形BCGの面積を求めよ。
問題5
1 以上の整数が次のように順に並んでいる。
1、2、3、4、5、……、?
これら整数の平均(へいきん)は、これら整数から 7 と 14 とを除(のぞ)いても、変わらない、という。これら整数は、いくつまで並んでいるか(「?」に当たる整数は何か)求めよ。
*
問題5から新たな問題を作りだすには、どうすればよいのか――
それをのべるには――
まず、問題5の解き方をのべる必要があります。
問題5は、どのように解くのがよいのか――
……
……
次のように解きます。
*
1、2、3、4、5、……、?
の整数から、
7、14
を除くことができるので――
整数「?」は 14 以上とわかる――
また、
1、2、3、4、5、……、?
の平均は、これら整数から、
7、14
を除いても変わらないことから――
1、2、3、4、5、……、?
の平均は、
7、14
の平均と同じであるとわかる――
よって、
7、14
の平均が、
( 7 + 14 )÷ 2
= 10.5
と求まることから、
1、2、3、4、5、……、?
の平均は、
10.5
とわかる――
また、
1
の平均は、
1 ÷ 1
=1
であり――
1、2
の平均は、
( 1 + 2 )÷ 2
= 1.5
であり――
1、2、3
の平均は、
( 1 + 2 + 3 )÷ 3
= 2
であり――
1、2、3、4
の平均は、
( 1 + 2 + 3 + 4 )÷ 4
= 2.5
であり――
1、2、3、4、5
の平均は、
( 1 + 2 + 3 + 4 + 5 )÷ 5
= 3
であることから――
1、2、3、4、5、……、?
の平均は――
整数「?」が 2 の倍数であれば、
1、2、3、4、5、……、?
の真ん中に並んでいる 2 つの整数のうち、小さいほうの整数に 0.5 を足した小数と同じであるとわかり――
整数「?」が 2 の倍数でなければ、
1、2、3、4、5、……、?
の真ん中に並んでいる整数と同じとわかる――
いま、
1、2、3、4、5、……、?
の平均は、
10.5
なので――
1、2、3、4、5、……、?
の真ん中に並んでいる 2 つの整数は、10 と 11 とであるとわかる――
1、2、3、4、5、……、?
の整数のうち、10 の左側には 9 コの整数が並んでいるから、11 の右側には 9 コの整数が並んでいるとわかる――
よって――
整数「?」は 20 とわかる――
*
問題5の解き方は――
大まかにいって前半と後半とに分けられます。
1、2、3、4、5、……、?
の平均が、
10.5
とわかるところまでが前半――
1
1、2
1、2、3
1、2、3、4
1、2、3、4、5
:
:
の平均を求めるところからが後半――
です。
この前半と後半とに分けられることが――
新たな問題を作りだす手がかりになります。
……
……
つづきは、あす――
『10 歳の頃の貴方へ――』