マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

政治は殺し合いが――

 政治では殺し合いが、わかりやすい。

 

 なぜか。

 

 それは――

 政治の本態を考えれば、わかる。

 

 ……

 

 ……

 

 ――政治の本態

 とは、

 ――社会の利害調整

 である。

 

 利益は公正に分配をし――

 損害は公平に分散をする――

 

 その“調整”を試みる者の前に――

 必ず立ちはだかるのが、

 ――邪魔者

 である。

 

 ――奴がいるから利益が公正に分配をされない。

 

 ――奴がいるから損害が公平に分散をされない。

 

 ……

 

 ……

 

 そういう“邪魔者”に巧く対処をする方法は3つ――

 

 1つめは――

 その“邪魔者”と誼(よしみ)を結ぶ。

 

 敵を味方にすれば、敵はいなくなる。

 

 2つめは――

 その“邪魔者”のもとを離れる。

 

 敵と関わらなければ、敵はいなくなる。

 

 3つめは――

 その“邪魔者”の命を奪う。

 

 敵を殺してしまえば、敵はいなくなる。

 

 これら3つの方法のうち――

 1つめと2つめとは難しい。

 

 そして――

 わかりにくい。

 

 3つめの方法も難しい。

 

 が――

 わかりやすい。

 

 ……

 

 ……

 

 かくして――

 

 政治では殺し合いが横行をする。

 

 そして――

 そうなることで――

 さらに政治は、わかりやすくなっていく――悲しいことに――

 

 少なくとも近代以前までは、そうであった。

 

 『随に――』