――ロシアとは、旧ルーシのうち、“草原の帝国”モンゴルに感化をされた部分が、巨大化をした結果、成立をみた国である。
と考えてみる。
すると――
では――
ウクライナとは、いかなる国か。
……
……
次のように考えられる。
――ウクライナとは、旧ルーシのうち、“草原の帝国”モンゴルから疎外をされた部分が、構造化をした結果、成立をみた国である。
ここでいう、
――構造化
とは、
――国の体裁を成すこと
くらいの意である。
旧ルーシは、“草原の帝国”から侵略を受けた頃――つまり、13世紀前半――
すでに離散の間際にあった。
その時に離散をした破片の数々は――
帝国の武威に惹かれて寄っていくものと――
帝国の酷虐を嫌って去っていくものと――
に分かれた。
その、
――去っていく破片
の数々が、互いに結び付き、構造を呈したことで、
――ウクライナ
という国が作られた――
この構造化は、行きつ戻りつを繰り返し――
その過程は、実に緩やかであった――
ようやく国の体裁を成し終えたのが――
20世紀の終わり――ソビエト連邦の瓦解の後――であった――
つまり――
ロシアとウクライナとは、“草原の帝国”が齎(もたら)した、
――侵略による版図の拡大
という思想を挟んで対峙をしている――
そのようにいえるのではないか。
『随に――』