――必ずもうかる。
という投資話をもちかけられ――
詐欺の被害にあう人が増えているのだそうです。
きょうになって警視庁が注意を呼びかけ始めたのだとか――
「必ずもうかる」というのは、不思議な言い方ですね。
「もうかる」のが「必ず」であったら――
それは、もはや「もうかる」ではないと思うのですよ。
――必ずもうかる話があります。
――どんな話ですか?
――あす朝9時に○○という工場に行って下さい。
――はい。
――そこで、夕方5時まで作業をして下さい。
――はい。
――そうしたら、5000円くらいは必ずもうかりますよ。
――なるほど!
「必ずもうかる」というのは「給料をもらう」ということでしょう。
「必ず」ということは、そういうことです。
一方、「もうかる」というときは――
「もうかる」か「もうからない」かが、よくわからないものです。
――もうかる話があります。
――必ずもうかる話ですか?
――いえ。もうかる話です。
――どんな話です?
――あす夕方5時に○○という工場に行って下さい。
――はい。
――その工場は、あすが給料日なんです。
――はい。
――もし工場長があなたも従業員だと勘違いをすれば、給料がもらえます。
――なるほど!
「必ずもうかる」という投資話をもちかけられたときは――
その話の信憑性を吟味する以前に、「必ず」と「もうかる」との組み合わせの違和感に気づきたいところですね。