マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

決められない政治

 ――決められない政治

 といえば――
 ひところは日本の政治の代名詞でしたが――

 昨今はアメリカの政治にもいわれるようになりましたね。

 いわゆる債務不履行の問題です。

 オバマ大統領の提案する医療保険制度改革(通称オバマケア)に、野党・共和党の強硬派議員らが根強く反対――
 共和党が多数派を形成する連邦議会・下院で、連邦政府の債務の上限を引き上げる法案を可決させない姿勢をみせたことが直接の原因――
 と報道されています。

 野党・共和党の立場では、オバマケアは自主・自立を謳うアメリカの国是を崩すことになるために、一歩も退けません。

 一方――
 連邦政府や与党・民主党の立場では、オバマケアはアメリカの抱える社会問題を少しでも緩和する一助となるために、やはり一歩も退けません。

 互いに「一歩も退けない」から、「決められない」のですよね。

 連邦議会・下院で、野党・共和党が多数派を形成していたことから――
 ある程度は予想されていた問題といえます。

 日本国民である僕からすれば、
アメリカの政治家も、僕らと同じ人間だな~)
 と実感を新たにする良いキッカケとなりました。

 政治とは、

 ――社会の利害調整

 です。

 政治家の役目は、基本的には調整役です。

 強い指導力を発揮して調整をするか、激しい対立を融和させて調整をするかの違いはあるにせよ――
 どちらも調整であることに変わりはありません。

 その調整役を担う政治家たちが争い、社会の利害調整は愚か自分たちの利害調整すらできなくなっているから、「決められない政治」となるのですね。

 つまり、「決められない政治」とは、社会の利害調整の機能が停止された状態です。

 喩えるなら――
 バスの運転手がバスの運転をしなくなった(できなくなった)状態です――乗客の立場では、もう本当に、どうしようもない――

 まあ、運転手も人間だから――
 そういうことはあるでしょう。

 ときには運転したくなくなったり、運転できなくなったりすることは――
 それは、ありえますよ――人間ですから――

 人間が政治家をやっている以上、「決められない政治」は、ある程度は仕方がないのでしょうね。

 いちいち騒ぐことではないのかもしれません。