込み入ったことをわかりやすく丁寧に説明するのは――
それなりに大変なことです。
時間や手間を十分にかけて――
相当に頭を使って考えないと、そのような説明はできないのですが――
そんなふうに丁寧に説明してみせたところで――
たいていの場合は、そんなに深くは感謝されません。
むしろ――
なまじ、わかりやすく丁寧に説明したばかりに――
説明の対象が、
――実は、そんなに込み入ったことではなかった。
と誤解させてしまうようなところがあります。
ですから――
込み入ったことを素っ気なく大雑把に説明する人が後を絶たないのですね。
気持ちはわかります。
そのほうが“込み入ったこと”の複雑さや難解さを仰々しく生々しく伝えられますから――
それでも――
僕は、わかりやすく丁寧に説明することに何らかの意義を見出していきたいのですが――
でも――
こうした姿勢は――
結局のところは、自己満足の延長なのかもしれません。