マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

小学6年のマル太は、どんな文章を書いているのか

 久しぶりに、自分の小学校の卒業アルバムをみたくなって――
 ひも解いてみたら――

 一緒に卒業文集まで出てきてしまいまして――

(小学6年のマル太は、どんな文章を書いているのかな~)
 と思って確認してみたら――

 思わず笑ってしまいました。

 というのは――
 題名が、

 ――低学年のときの失敗

 だったからです。

 去年、“失敗”をテーマにした書籍の監修を担当させて頂きました。

(そうか。僕は、この頃から“失敗”に興味があったんだな~)
 と、深く感じ入った次第――(笑

 この書籍の発行日が――
 ちょうど去年のきょうなので――

 良い機会です。

 ここに全文を掲載しましょう。

 原文のままです。

 ただし、ネットでの読みやすさを考慮して――
 改行のスタイルだけは修正しました。

     *

   低学年のときの失敗   徳永太

 低学年のころはいろいろと失敗してしまいました。
 いまだから本当のことが言えるんだけれど、1年のときにリレーをしていて、前の人が二位に大差をつけてきて、ぼくにバトンをわたしました。
 するとぼくは他の人がくるまでまっていました。みんなに大わらいされているなか、先生にかるく背中をたたかれて
「ほら、早く行きなさい。」
 と、言われました。
 ぼくはその時どうなっているんだか分らなかったけれど、とにかく走って、どうにか一位はたもてました。
 この時ははずかしくなかったけれど、後で言われたときはとてもはずかしかったです。

 二年の時も失敗はやりました。
 友達といっしょに業間休みにうら庭で遊んでいるとチャイムがなりました。
 でもうら庭には聞こえなくてそのまま遊んでいると、一人の友達が
「ねえ、やけに休み時間が長くないか
 と、言いました。
 すると他の友達が、
「おれ念のため教室に帰ろう。」
 と、言って走り出したのを合図にみんな急いで教室に帰りました。
 ぼくはみんなよりおくれて教室に入ったのでみんなにじろっと見られたのではずかしくなりました。
 そしていっしょに遊んでいた人がたたされていたので、そこに行ったら
「なんでくるの、この人達は別のことでおこっているのよ。」
 と、言われみんなに大わらいされました。

 この外にもいくつか失敗はあるけれど、今の二つが一番心に残っています。

     *

 注釈を幾つか――

 1) “徳永太” というのは、僕の本名です。

 2) “業間休み” というのは、2時間目と3時間目との間にある少し長めの休み時間のことで、千葉県などの限られた地域にしかない休み時間だそうです。
 ちなみに、僕は千葉市の小学校に通っていました。

 3) “「ねえ、やけに休み時間がながくないか” については、末尾に “ 。」” が入るはずです。
 おそらくは、記入もれでしょう。
 が、卒業文集の作文なのに記入もれとは、なかなかに大物の小学生ですね(笑

 4) “この外にも” というのは、たぶん “この外(ほか)にも” と読ませたかったものでしょう。
 当時も今も、“この他にも” か “このほかにも” と表記するのが一般的ですが、辞書などによると、完全な誤用というわけでもないようです。