マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

皆さんはお気づきになられますか

 失敗を考える時に、

   (A) 利益を取り損ねる失敗

 と、

   (B) 損害を被る失敗

 とに分けて考える必要があります。

 さらに、「損害を被る失敗」は、

   (B1) 再起不能の損害を被る失敗

 と、

   (B2) 再起可能の損害を被る失敗

 とに分ける必要があります。

 きのうの『道草日記』で――
 小学6年のマル太の失敗談をご紹介いたしました。

 あの失敗談で述べられている失敗は、(B2)「再起可能の損害を被る失敗」です。

 その「再起可能の損害」の実態は、

 ――みんなに大笑いをされ、恥ずかしい思いをすること

 です。

 もちろん、「再起可能の損害」にも様々な程度があり――
 中には深刻な損害もあるわけですが――

 この「みんなに大笑いをされ、恥ずかしい思いをすること」という損害は――
 ふつうは軽微といえましょう。

 ところで――

     *

 ――失敗

 というものは――
 決して一言で片付けてはいけません。

「失敗」なら「失敗」として、いったい、どのタイプの「失敗」なのか――(A)「利益を取り損ねる失敗」か、(B1)「再起不能の損害を被る失敗」か、(B2)「再起可能の損害を被る失敗」か――
 そこをしっかりと区別しなければなりません。

 このうち、真に恐れなければならない失敗は、(B1)「再起不能の損害を被る失敗」です。

 小学6年の男児にとって、このタイプの失敗に該当する例は、

 ――車道にはみだして轢死してしまう。

 とか、

 ――用水路に落ちて溺死してしまう。

 とかいったことでしょう。

 一方――
 できれば避けたい失敗は、(A)「利益を取り損ねる失敗」です。

 小学6年の男児にとって、この失敗に該当する例は、

 ――自分が道化になって皆を楽しませる機会を逸する。

 とか、

 ――自分の狡さや弱さを認めて直していく機会を逸する。

 とかいったことでしょう。

 他方――
 まったく避ける必要のない失敗、あるいは、決して恐れてはいけない失敗は、(B2)「再起可能の損害を被る失敗」です。

 これに該当する失敗は、(A)および(B1)以外の全ての失敗であり――
 例を挙げ始めたら、きりがありません。

 ちなみに――

     *

 小学6年のマル太は――
 きのうの『道草日記』でご紹介した“失敗談”によると――
 まったく避ける必要のない失敗である(B1)「再起可能の損害を被る失敗」だけでなく――
 できれば避けたい失敗である(A)「利益を取り損ねる失敗」もやっております。

 そのことに――
 残念ながら――
 当人は、まったく気づいておりません。

 皆さんはお気づきになられますか。