――人が好き
とは――
つまりは、
――自分のことが好き。
ということである、と――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
ここでいう「自分のこと」が何を意味しているのかは――
ちょっと問題です。
例えば――
その「自分のこと」が、
――自分の容姿だけ
とか、
――自分の利害関係だけ
とか――
ごく狭いことしか指していないようなときに、
――自分のことが好き
と臆面もなくいってのけるような者は――
たぶん、ろくな人間ではありません。
ここでいう「自分のこと」というのは――
もっと様々な意味があてはまります。
例えば、
――自分の出自
です。
自分は、どこで生まれたのか――
どんな家に生まれたのか――
どんな国に生まれたのか――
どんな世に生まれたのか――
これらは――
人としての自分の出自です。
では――
ヒトとしては、どうか――
つまり――
生物種としての自分の出自は？
自分は、どこで生まれたのか――
どんな天体に生まれたのか――
どんな地形に生まれたのか――
どんな気候に生まれたのか――
……
……
それらのことを――
すべてひっくるめて、
――自分のこと
です。
「自分のこと」というのは実は幅広い――
決して自分の容姿や利害関係のことに限りません。
つまり、
――少しでも「自分のこと」といえそうなことには、何でも関心をもっている。
それが、
――人が好き
ということです。
